きのこの科学
Online ISSN : 2433-0965
Print ISSN : 1340-7767
カラマツ水抽出物を添加した未利用培地基材によるヒラタケ栽培
高畠 幸司作野 友康古川 郁夫川田 俊成
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1996 年 3 巻 4 号 p. 155-160

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抄録

ヒラタケの菌床栽培のための新規の未利用培地基材として,モミ殻,バーミキュライト,セルロースアセテートおよび新聞紙を供試するとともに,カラマツ水抽出物(KWE)添加の有無により培地を調製し,培地基材としての適性をスギ鋸屑と比較検討した.KWE無添加の場合は、モミ殻および新聞紙がスギ鋸屑より良好な結果を示し,セルロースアセテートもスギ鋸屑の代替材として活用できる可能性が示唆されたバーミキュライトはスギ鋸屑より劣った.KWEの添加は,供試培地基材のいずれでも培養過程終了時の培地中のグルコサミン含量および水ポテンシャルが増加し,添加により培地中の菌体量が増加したことが推察された.KWEの子実体増収効果は培地基材により異なり,スギ鋸屑,バーミキュライト,セルロースアセテートの順で効果が大きかった.特に,バーミキュライトおよびセルロースアセテートで,KWE添加によりスギ鋸屑と同等以上の高収量が得られた.

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© 1996 日本きのこ学会
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