機能紙研究会誌
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合成繊維の紙に関する研究(第Ⅰ報~第Ⅳ報)
「樹脂加工」誌(1957)復刻版転載の経緯
稲垣 寛
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2009 年 48 巻 p. 87

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抄録
合成繊維の紙に関する研究Ⅰ(第1報)ビニロン繊維の手漉き実験(岡村誠三・稲垣 寛・廣瀬晋二, 樹指加工, 6, 509, 1957)は、 我国の合成繊維紙に関する最初の報文で、ポリビニールアルコール(PVA)繊維紙の世界で始めての報文でもあります。また、紙力形成のために用いられた熱水溶解型のPVA繊維状パインダーは、発表2年後には TAPPI 誌に引用文献つきで紹介され、現在殆どの合成繊維紙製造時に使用される繊維状パインダー(ポリエステル・ポリオレフイン・これらの芯鞘型など)の先駆的研究としての評価を受けております。"New Development in Manufacture of Synthetic Fiber Paper", Hanns F. Arleder, TAPPI, 42, 2, 177A (1959) Literature Cited 7, Okamura S., "Studies of Paper made from Artificial Fibers" Jushikako 6, 509-516 (October, 1957) 現在、PVA 繊維状パインダーは植物繊維紙の紙力増強用として、ビスコースレーヨン紙・ポリビニールアルコール繊維紙・ガラス繊維紙など親水性繊維を用いた紙の必須パインダーとして年間数千トンが日本で生産されております。合成繊維の紙に関する研究Ⅱ(第2報)ビニロン繊維の機械抄紙実験(同, 樹脂加工, 6, 565,1957)は、懸垂短網抄紙機による抄紙条件と得られた紙の試験結果で、翌1958年には、これらの条件を基にして廣瀬製紙㈱で日本初のビニロン紙の工業生産が開始されました。合成繊維紙に関する研究Ⅲ(第3報)熱処理PVA 繊維を使用したビニロン紙の抄紙実験(同, 樹脂加工, 6,568,1957)は、市販のビニロン繊維は耐水性を付与するためにホルマール化処理がされていますが、熱処理だけにより耐水性を付与したビニロン繊維を主体繊維として用いた場合、特徴である耐折強度が数倍大きい紙が得られました。合成繊維の紙に関する研究Ⅳ(第4報)ナイロン繊維の抄紙実験(同, 樹脂加工, 6, 621, 1957)は、ナイロン繊維紙の抄紙用パインダーとしてもPVA 繊維状パインダーが有効である事を実証したもので、この研究には特種製紙㈱研究所の佐伯忠夫氏も参加、同社では日本初のナイロン紙の機械抄紙・市販も試みられました。
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