2019 年 4 巻 p. 11-18
この研究は中学校・高校の運動部活動顧問による体罰の実態を調査し,望ましい指導のあり方を考察したものである.結果は,中学で約1割,高校で約2割の生徒が体罰を受けており,暴言や物をぶつける,殴る,蹴るなどが多かった.男子では柔道,ソフトテニス, サッカー,女子では剣道,ソフトボール,バスケットボールなど球技や格技に体罰は多かった.中学校は競技レベルに関係なく体罰が発生し,高校では競技レベルが高くなるほど体罰が発生していた.また,苦しい練習を強いる部活動,非民主的な部活動で体罰が多く発生していた.こうした現状を考えると「顧問は体罰に頼らない指導法を研修し,管理職とともに『学校教育の一環』として部活動の指導をすることが重要になると考えられる.