2011 年 2011 巻 62 号 p. 134-139
岩手県中部において2009 年にアカソとダイズにおけるウコンノメイガの発生消長を調査し,本種の越冬や世代経過について検討した.アカソ群落において,本種の越冬後幼虫は4 月下旬から3 齢,4 齢と少数の2 齢幼虫が確認され,その後5 齢,6 齢,蛹となって6 月下旬以降に羽化した.その後の夏期間に卵塊や幼虫は見られなかったが,9 月上旬から10 月下旬まで卵塊,9 月中旬から11 月中旬にかけて1~4 齢幼虫が再び認められた.ダイズ圃場においては,本種の成虫は7 月下旬および9 月中旬の2 回の発生ピークが認められ,幼虫は7 月から9 月まで確認された.これらの結果より,本種は3齢,4 齢とごくわずかの2 齢で越冬すると推察された.また,アカソとダイズにおける発生消長から,岩手県中部において本種は世代間で寄主を変えながら年間2 世代を経過すると推察された.