2020 年 2020 巻 71 号 p. 171-176
山形県庄内地域のセイヨウナシに発生したセイヨウナシハモグリダニ(仮称)の越冬場所,越冬場所からの離脱および越冬場所への移動時期,そして生育期の果実に対する加害状況について調査した.その結果,セイヨウナシハモグリダニの越冬は芽鱗片内部で行われ,頂花芽の寄生芽率が高く,寄生している虫数も多かった.離脱は発芽期頃から始まったが,早期離脱せずに越冬部位である芽内部を加害し,火ぶくれ症状を引き起こすことが認められた.また,生育期後半の芽鱗片内への移動時期については明らかにすることはできなかったが,移動は11月下旬まで続くことが示された.果実に現れるサビ症状は,本種が花托に侵入することで生じ,幼果期以降は加害できないと推察された.