北日本病害虫研究会報
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特別講演
青色光による殺虫技術の開発とその利用―現状と今後の展望―
堀 雅敏
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2023 年 2023 巻 74 号 p. 1-8

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抄録

LEDの発展・普及にともない,光を用いた害虫防除技術の開発が活発になっているが,そのほとんどは光による昆虫の行動制御であり,直接的な殺虫ではない.一方,筆者は近年,青色光に殺虫効果があることを発見した.可視光は生物毒性が低く,動物への致死効果はないと考えられていた.そのため,青色光の殺虫効果の発見は,動物に対する光の作用の新たな知見として注目された.また,青色光を害虫に照射するだけで殺虫できるので,クリーンな殺虫技術として利用開発と普及が期待されている.青色光の殺虫効果は様々な害虫で確認されているが,効果的な波長や殺虫に必要な光強度は昆虫種や発育段階によって異なっている.現在,その原因も含め殺虫メカニズムを解析中であるが,体表から体内に透過した青色光が活性酸素を生じさせ,殺虫効果を発揮すると推測している.また,利用技術として,LED光源だけでなく,LD光源による殺虫技術の開発も進めている.

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