北日本病害虫研究会報
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リンゴ輪紋病の発生予察法に関する研究
第3報果実の感受性変化と罹病性
尾形 正落合 政文
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1993 年 1993 巻 44 号 p. 83-85

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抄録

っがる, スターキング, 陽光, 王林およびふじを供試して, リンゴ輪紋病に対する罹病性について, 慣行防除を行っている一般現地圃場における調査を行い, また接種試験により, これらの品種の本病に対する果実の感受性の変化を検討した。その結果, リンゴ輪紋病は現地においては, 年次および園地間差があるものの, 王林, ふじに発病果率が高く, スターキングがこれに次ぎ, つがるおよび陽光では低く, 品種の違いにより果実の罹病性が異なることが明かとなった。また各品種に対する接種試験による感受性の変化を調査したところ, スターキングは5月下旬の幼果期の早い時期から高い感受性を示し, 他の品種もほぼ6月上旬・中旬頃から果実感受性が高まった。そして, つがる, スターキングおよび陽光は6月中旬から7月下旬まで高い感受性を持続し, 果実肥大成長が最も旺盛な時期を過ぎた8月上旬には急激な感受性低下が認められた。しかし, ふじでは感受性の高い期間が長く, このようなことが罹病性の差異に結びつくと考えられた。王林では1990年には感受性期間が長かったが, 1992年には7月下旬には急激に低下し, 年次間で違いが認あられた。この原因については判然としなかった。感受性が低下する時期は果実の生育ステージ, とくに果実の果皮構造の変化とも関連性があると考えられた。

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