1995 年 1995 巻 46 号 p. 56-58
トウモロコシ紋枯病菌 (Rhizootonia solani Kuhn AG-1IA) 菌核の本作物茎上での生存割合を明らかにするため, 生育中のデントコーンの罹病茎上から菌核を採取し発芽試験を行った。その結果, 菌核は茎上において時間の経過とともに発芽能力をそう失し, 特に地面に近い茎の下部ほどその傾向が強かった。不発芽の菌核からはTrichoderma属菌が多数分離され, また走査電子顕微鏡観察により菌核表面に微生物の寄生が確認され, さらに組織の崩壊が認められた。このことから, 菌核の発芽能力低下の一原因としてTrichoderma属菌等の菌核寄生性拮抗微生物の影響が考えられた。