北里大学一般教育紀要
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原著
一般大学・学部における教職課程教育の課題と実践(第3報)
―「教育実習」に関する政策動向と実践的課題―
荒尾 貞一千葉 昌弘
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2014 年 19 巻 p. 113-134

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抄録
 筆者たちは、第2次世界大戦後の大学における教員養成の原理と方法の歴史的変遷と北里大学 における実際の展開について2011年以来検討してきた。その第3報である本論文は教育実習の歴 史的成立過程について検討した。
 今日、文部科学省は教員養成の力点を教師の実践的指導力向上に置いている。この目的を達成 するために、教育実習の取得単位数を増やしたが、その一部を事前・事後指導で置き換えること を認めた。
 2008年から2011年まで、十和田市にキャンパスがある北里大学獣医学部は、事前指導のゲスト 講師として現職の中・高教員を招聘してきた。2009年以来、筆者たちは、その講義に対する学生 の要望を事前に集め、講義後には感想を集めて、ゲスト講師に送った。ゲスト講師は、要望に基 づいて講義を構成した。
 学生の講義要望事項や感想の特徴とゲスト講師による事前指導の効果を検討するために、テキ ストマイニングを用いて、要望事項と感想を分析した。クラスタ分析と対応分析の結果が検討さ れた。それによれば、学生たちには、中・高校生たちとの人間関係や授業計画の作成とその実施 に心配事や不安があり、ゲスト講師による事前指導がその心配事や不安を和らげるのに効果的だ ということが分かった。
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