第2言語の音声システムが有する分節的特徴と超分節的特徴の両方を含めるという、発音教育におけるパラダイムシフトを鑑み、この研究は、標準中国語マンダリンの話者が個人指導という文脈内で英語の母音の発音を改善できるように、音読のような既存の教育技法を使用する可能性を探求するべく企画されている。参加者の自己動機付けによる多読プログラムで使用した、親しみのある級別の読み物をリサイクルすることにより、筆者はこのアプローチを既存のEFLカリキュラムに統合できることを実証した。この研究で実施されたアプローチは、Kupzyk, McCurdy, Hofstadter, and Berger’s (2011) のL1(第一言語)学習者の研究に一つの重大な修正を加えたものに基づいている。Kupzyk らの研究は、参加者の親によって実行することができるアプローチの有効性をテストするように企画されているので、矯正フィードバックの機会はほとんどないか全くなかった。対照的に、この研究における異なる環境では、参加者が明確な指導や言い直しという形で研究者からの矯正フィードバックを得られた。参加者のエラーは事前テストと事後テストの間で大幅な減少(合計28から10へ)を示し、形態に注目する指導と組み合わせた音読が、学習者の分節的特徴の生産を改善する点で効果的となりうることを示唆している。このことは、参加者が当初最難関であると思っていた母音の音声(例:/iy/ 対 /ɪ/ ) に関して特に該当していた。このアプローチが個人レッスンという背景では有効であると示された一方で、このような個別化された発音指導法が異なる教育の場にいる他の学習者集団に適しているかどうかは未だ不明のままである。