日本航空宇宙学会誌
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イプシロンロケットの推進系の開発(<特集>イプシロンロケットの開発 第3回)
徳留 真一郎宇井 恭一清水 文男羽生 宏人谷内 雄作佐野 成寿
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2012 年 60 巻 7 号 p. 272-276

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抄録

イプシロンロケット二段階開発の最初のステップでは,本質的な低コスト化と即応性の向上を目指す革新的機体システム技術の開発に重きを置いている.推進系の開発においては,H-IIAやM-Vの開発で培われた技術を最大限活用することによって,期間,コスト,リスクを抑え,革新的機体システム技術の早期実証及び近い将来の小型衛星打上げの要求に応える.第1段モータには基幹ロケットのSRB-Aモータを共用し,第2段,第3段にはM-V-5号機の第3段モータ,キックモータをほぼそのまま流用してM-Vをしのぐ輸送効率を達成する.推進系の新しい開発課題は,多様なミッションへの対応能力を高めるPBSの小型液体推進系,そして第1段推力飛行中のロール制御と同コースティング中の3軸制御を担うSMSJ装置である.2013年度の初飛行を目指すイプシロンの推進系開発は,2011年度内に詳細設計を完了して初号機製造に進む見通しである.

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© 2012 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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