日本航空宇宙学会誌
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IKAROSの姿勢系システム(<特集>小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」 第6回)
津田 雄一白澤 洋次佐伯 孝尚三桝 裕也船瀬 龍河内 宏道卯尾 匡史谷口 正石橋 史朗
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2013 年 61 巻 4 号 p. 136-142

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抄録

IKAROSはJAXAが開発し,世界初の深宇宙ソーラーセイル航行を成し遂げたソーラー電力セイル実証機である.IKAROSの姿勢制御の観点での特徴は,機体全体がスピンすることによるスピン剛性でセイルの形状の維持とスピン安定を同時に得ることである.14m四方,代表厚み7.5μmという大面積柔軟構造物を有する機体を安定化し,かつ十分な制御性を有する姿勢制御を実現するために種々の工夫が施された.他方で,IKAROSは開発コスト制約を非常に厳しく課されたプロジェクトであり,姿勢制御系の簡素化と開発負荷の軽減が課題であった.結果として気液平衡推進系,太陽センサのみによる姿勢決定系など,独特の姿勢制御系構成となった.また,運用面では,迅速な運用実績の反映により,太陽光圧擾乱を逆用した省燃料の姿勢制御手法を実現した.本稿では,これらの点を中心にIKAROSの姿勢制御システムについて概説する.

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© 2013 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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