日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
Print ISSN : 0021-4663
ISSN-L : 0021-4663
大型風洞における定常及び時系列PIV計測技術(<特集>先進的空力技術 第2部:流れの制御と実験・計測 第29回)
加藤 裕之小池 俊輔
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 62 巻 12 号 p. 395-402

詳細
抄録

粒子画像流速測定法(PIV)は空間中の速度を光学的に計測する流体計測技術である.レーザ光源とCCDカメラ等を用いることで従来の流体計測技術を大きく上回る空間解像度で,かつ定量的に速度を画像として計測できることが特徴であり,その計測対象は液体,気体を問わず,速度範囲は低速から超音速まで対応し,計測領域はマイクロ流から大型風洞まで幅広く適用可能な計測手法である.近年,航空機宇宙機開発における風洞試験では,機体性能の向上や空力設計の高度化により,機体周りの詳細な流れ状態に関するデータ取得のニーズが増している.さらには,空力騒音やバフェット現象等,非定常流れに関する時系列データを取得するための計測手法が求められている.PIVはこれらの速度場計測ニーズに応えるための計測手法として開発が進められ,適用されつつある.本特集では,PIV技術の概要,大型風洞へのPIV計測の適用例の紹介を通じて,その効果的な運用について報告する.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本航空宇宙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top