日本航空宇宙学会誌
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航空機降着装置システムの電動化技術動向(<特集>航空機電動化技術の動向と我が国での研究紹介 3)
高橋 教雄朝倉 博幸
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2015 年 63 巻 1 号 p. 11-13

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抄録

降着装置システムは安全に地上から離れ安全に地上に降りることに加えて地上では離着陸,速度制御,操向角制御タキシング等を行う装置であることから軽量・コンパクトで高い信頼性のあることが要求される.このために古くに確立された技術が現在も引き継がれているが,近年の航空機電動化技術は確実に降着装置システムにも適用範囲を広げている.飛行制御系統に適用されているEHA(Electro Hydrostatic Actuator)やEMA(Electro Mechanical Actuator)を中心にして従来の集中油圧方式の置き換えによる航空機全体の軽量化と,エネルギー利用の効率化は自動車の電動化技術に類似した動きと捉えても良いように思える.ここでは,降着装置システムの電動化技術の端緒となったボーイング787に採用された電動式ブレーキと,近年開発が進められている電動タキシング技術について紹介するとともに,日本で開発を進めている降清装置の電動化研究についても触れながらエアラインの視点を含めて紹介する.

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© 2015 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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