2017 年 65 巻 5 号 p. 129-136
CO2低減要求をはじめ2050年までを視野にした航空機の環境適合性要求は非常に厳しいものであり,各国機関では,機体・推進ともに新しい概念ならびに代替燃料の適用を模索して活発に検討を行っている.水素社会の到来を見据え,代替燃料の可能性を踏まえた航空機電動推進に関する検討が行われている.本稿では,欧米を中心に活発に検討が行われているコアとファンを分離することで有効バイパス比を飛躍的に増大させるコア分離電動ファンエンジンを想定し,特にコア発電機の効率向上を目指した固体酸化物型燃料電池とガスタービンを組み合わせたハイブリッド発電機の航空機推進系動力としての有効性について検討した.固体酸化物型燃料電池を航空機飛行環境で運用する際の課題と克服手段を提案し,提案したシステムにおいて効率向上効果を見込む簡単な解析結果を示した.