日本航空宇宙学会誌
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特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第3回
端面燃焼式ハイブリッドロケットの超小型衛星への応用
齋藤 勇士君野 正弥添田 建太郎戸谷 剛永田 晴紀
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2018 年 66 巻 10 号 p. 291-295

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抄録

超小型衛星の運用の高機能化および深宇宙探査には,推進器がますます不可欠な存在となる.化学エネルギを用いて大推力を得ることのできる化学ロケットは数km/sの増速が与えられるキックモータになる.主衛星に相乗りする形で打ち上げられる超小型衛星には厳格な安全基準が求められるため,プラスチック等を燃料とするハイブリッドロケットが注目を浴びている.その中でも,端面燃焼式ハイブリッドロケットは,従来型ハイブリッドロケットを凌駕する燃焼特性および推力制御特性が期待されてきた.端面燃焼式ハイブリッドロケットは,燃料製作に困難さを有していたが,高精度3Dプリンタの台頭によって,2014年に実証に成功した.これまでの間,筆者らは数多くの燃焼実験を実施し,研究成果を国内外の学会で発表してきた.本論文では今まで得られた端面燃焼式ハイブリッドロケットの知見をまとめ,今後の課題を紹介する.

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© 2018 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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