2018 年 66 巻 5 号 p. 130-134
2017年3月,国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization, ICAO)理事会において採択されたCO2排出基準は,飛行機設計に燃料効率の高い技術導入を奨励するための技術標準で,2020年以降に型式証明を取得する新規設計機体等に要求される基準である.2009年10月のICAOハイレベル会合において設置された,世界全体で毎年2%の燃料効率の改善と,2020年以降2050年までカーボンニュートラルな成長の2つからなる「Global Aspirational Goal」達成のために議論されている方策の1つとして2010年より6年の歳月を経て開発された.その導入により,2020年から2040年までに6億5千万トンのCO2削減が見込まれるという.本文はこのCO2排出基準開発を関係機関の報告書・メディア記事・ICAO職員へのインタビューを基に解説する.