日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
Print ISSN : 0021-4663
ISSN-L : 0021-4663
特集 設計最適化・設計探査 第1回
Adjoint法と超音速機空力設計への適用事例
雷 忠牧野 好和岩宮 敏幸
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 66 巻 6 号 p. 180-185

詳細
抄録

現在,CFD最適化設計は航空機の空力設計において非常に重要であり,設計サイクルに要する時間,経費を大幅に短縮,削減することが可能になる技術である.従来の線形設計法に比べてCFD最適化設計は高忠実度かつ高効率な設計手法として認められている.旧航空宇宙技術研究所の時代から進めてきたJAXA次世代超音速旅客機の研究プロジェクトでは重要な技術の一環としてCFD最適化設計法が開発された.本稿ではAdjoint法を利用した最適化手法とCFDを組み合わせた空力最適設計法及び小型超音速実験機における複雑な非線形干渉現象を考慮した適用事例を紹介する.Adjoint法は流れ支配方程式を解く1回程度の計算時間で,すべての設計変数に対する目的関数の勾配が得られるため,計算時間は設計変数の数に依存せず,設計時間を大幅に短縮することができる.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本航空宇宙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top