日本航空宇宙学会誌
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特集 航空機の到着管理システムに関する研究 第2回
次世代到着管理システムの運用コンセプト
伊藤 恵理
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2018 年 66 巻 7 号 p. 205-211

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抄録

先進的な通信(Communication)・航法(Navigation)・監視(Surveillance)技術を利用する新しい運航とパイロットや管制官を支援する適切なオートメーションの導入により,さらに安全で効率的かつ環境への負荷を低減する航空管制システムの実現を目指した世界規模の研究開発が現在進行中である.混雑空港周辺の航空交通整理は重要課題の一つであり,空港に到着する航空機の順序づけと到着時刻を自動的に管理する到着管理システムが有効である.そこで,本稿では2030年以降の航空交通を想定した次世代到着管理システムの運用コンセプトを提案する.そして,気象の変化,航空機が搭載するアビオニクスの性能,パイロットや管制官などの人的要因などに起因する運航の不確実性や,新旧の機材が入り混じった将来の航空交通を想定し,到着空港周辺の高密度空域において到着スケジューリングを行う提案コンセプトと,その実現に必要な運用プロトコルおよび関連技術をまとめる.

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© 2018 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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