日本航空宇宙学会誌
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特集 MCS並列計算システムの開発と応用 第4回
独自機能(1):MCSにおける影響パラメタの検出
元田 敏和
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2019 年 67 巻 10 号 p. 350-356

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抄録

モンテカルロ・シミュレーション(MCS)は飛行前のシステム評価手段として優れた性質をもつため,計算機能力の向上に伴って国内外で広く利用されるようになってきている.通常,MCS結果には要求を満足できないケース(失敗ケース)が発生する.MCSでは多数の不確定パラメタを同時に,かつ,その大きさをランダムに入力しているため,失敗ケースの原因となる入力パラメタを特定することは必ずしも容易ではない.しかし原因となるパラメタが特定できなければ,システムの改善検討のための糸口が掴めない.この問題に対処しMCSが開発現場において設計検討に資するツールとなることを意図し,失敗ケースの主因となる入力パラメタ(影響パラメタ)を検出する技術を開発した.本検出法は「MCS並列計算システム」において,独自機能の1つとして組み込んでいる.本稿ではMCSにおいて影響パラメタを検出する際の問題点,必要性,検出アルゴリズム,ユーザ・インターフェースについて解説する.

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© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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