北関東医学
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原著
SAT・SBTプロトコル作成と導入
村岡 さやか戸部 賢田沼 小百合宇佐美 知里斉藤 丈浩引田 美恵子国元 文生齋藤 繁
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2016 年 66 巻 2 号 p. 123-127

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抄録

背 景:集中治療を受ける重症患者は, 鎮静が必要となるが, 長期間の過度な鎮静により, せん妄発生リスクは高まり, 人工呼吸期間や入院期間への影響も懸念される. そこで一日一回鎮静を中断し意識状態を確認し (Spontaneous Awakening Trial《SAT》), 自発呼吸で抜管可能か評価すること (Spontaneous Breathing Trial《SBT》) が必要となる.
目 的:SAT・SBTプロトコルを作成し, 安全に導入する.
方 法:プロトコルを作成し勉強会を実施後, 平成25年10月より6か月間にSAT・SBTを行った患者を調査し検討した.
結 果:SAT対象患者数27症例, SAT成功18例にSBTを行った. 計画外抜管はなく, 72時間以内の再挿管は2例でせん妄発生は2例であった. プロトコル導入後は, 挿管期間は5 ± 3日で, 再挿管率は7.2%であった.
結 論:SAT・SBTを導入し, 安全に行うことができた.

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© 2016 北関東医学会
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