北関東医学
Online ISSN : 1883-6135
Print ISSN : 0023-1908
ISSN-L : 0023-1908
原発性アルドステロン症における血漿レニン・アルドステロン・コルチゾールの概日リズムに対するスピロノラクトンの影響
藤田 晴康
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 42 巻 3 号 p. 179-189

詳細
抄録

スピロノラクトン投与前および長期投与後の原発性アルドステロン症患者の血漿レニン活性, 血漿アルドステロン濃度 (PAC), 血漿コルチゾール濃度の概日リズムをCosinor法にて解析した.スピロノラクトン長期投与前後のいずれの時期においても, デキサメサゾンを投与し, その前後において概日リズムの検討を行った.スピロノラクトン長期投与前後とも, 原発性アルドステロン症のPACは概日リズムを示し, スピロノラクトン長期投与後に賦活されるレニン・アンジオテンシン系も, PAC概日リズム制御への関与は少ないことが判明した.デキサメサゾン投与によりPAC概日リズムのacrophaseの前方移動がみられることから, ACTHはリズムの位相変位に関与することが推測され, また, その作用はスピロノラクトン長期投与によって増強すると思われる.スピロノラクトン長期投与後も, PACの概日リズム制御にはレニン・アンジオテンシン系, ACTH以外の機構の存在することが考えられた.

著者関連情報
© 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top