1998 年 48 巻 2 号 p. 163-166
20代および30代前半の若年女性糖尿病患者における骨密度を測定し, その異常の有無を調べた.また, 同患者における血清および尿中骨代謝マーカーを測定し, 骨病変ならびに骨形成, 吸収マーカーと糖尿病コントロール状態との関連についても検討した.骨密度の低下は19歳から29歳までの間に十分な糖尿病管理がなされなかった1例において認められた.他例においては骨密度は正常域であったことは, その時期におけるコントロールの重要性を示すものと考えられた.若年女性糖尿病患者における骨密度および骨代謝双方について調べた報告はきわめて少なく, 今後若年者では骨密度および骨代謝につき早期に検査する必要性があると思われた.