北関東医学
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疥癬を併発した急性骨髄性白血病の1症例
祝 史斉藤 貴之村上 博和内海 英貴酒井 広隆松島 孝文前原 忠史塚本 憲史田村 遵一森田 公夫唐沢 正光成清 卓二
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1998 年 48 巻 4 号 p. 297-299

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抄録

症例は62歳, 男性.1996年6月7日, 汎血球減少症にて入院.骨髄にてperoxidase陽性芽球を44.2%, 3血球系統の形態異常を認め, acute leukemia (AML, M2) with trilineage dysplasiaと診断.6月8日よりidarubicin・cytosine arabinosideによる寛解導入療法開始.7月4日, 完全寛解に達したが, この頃より全身に紅色小丘疹出現.疥癬と診断し, hydrocortisone・crotamiton軟膏による治療を開始.地固め療法中, 一時皮疹は悪化したが, 同療法の継続にて軽快した.疥癬およびその重症型であるノルウェー疥癬は過去の疾患と考えられがちであるが, 現在でも免疫不全状態の患者を診療するにあたっては重要な疾患であり, 早期診断・治療が必要である.血液疾患の中では, 慢性の経過をとるリンパ系腫瘍との併発が多いが, AMLとのまれな併発例を経験したので報告する.

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