北関東医学
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カルシウム関連ペプチドホルモンの家ウサギ培養歯髄細胞 cAMP 系に及ぼす影響
齋藤 晃一
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キーワード: 歯髄, 象牙芽細胞
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2000 年 50 巻 2 号 p. 83-92

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抄録

Parathyroid hormone (PTH) やCalcitonin (CT) などは, 骨組織のみならず歯牙組織に作用することが知られていて, 硬組織形成の機序にはcAMP系の関与が考えられている.歯牙組織の象牙質石灰化に関してこれらホルモンとcAMP系との関連を調べる目的で, まずcAMPの抽出定量法の有効性を検討して, TCA抽出法と二抗体法による測定を採用し, 歯髄組織のcAMP量は, 血清と比べ, 遥かに高いことが明らかになった.培養4日目の歯髄細胞では, 多数の象牙芽細胞が認められ, 線維芽細胞は少く, ホルモン添加後30分の細胞外cAMPを指標として実験を行った.添加されたPTHは0.01-1μMの範囲で濃度依存的に有意なcAMPの増加を示した.CT及びParotinは単独添加では細胞外cAMPに有意な変化は示さなかったが, 1μMのPTHと10μMのCTを同時に添加するとPTHの作用は約50%抑制され, 象牙芽細胞における情報伝達経路に関してこの二者の何らかの相互作用が推定された.

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