北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
手術を受けた高齢者の回復過程の知覚と回復意欲をはぐくむ看護支援について
小泉 美佐子大塚 きく子伊藤 まゆみ宮本 美佐
著者情報
ジャーナル フリー

50 巻 (2000) 3 号 p. 275-285

詳細
PDFをダウンロード (1804K) 発行機関連絡先
抄録

本研究の目的は, 手術を受けた高齢患者の回復意欲をはぐくむ看護支援のありかたを検討することである.開腹手術を受けた11名の高齢患者を対象に, 手術後に回復を知覚した状況について, 回復過程の支えや励ましとなったことについて質問し, 手術体験の振り返りから回復意欲に肯定的な影響をもたらした内容を分析した.
回復の知覚は, 手術室から戻って命が助かったという安堵感に始まり, 最も多く述べられていたのは経口摂取の開始で, 排泄, 入浴, 歩行など生理的ニーズを自分自身で満たせることやADLの拡大に回復を感じていた.そして, 医師から退院を告げられたときに大きな喜びとなっていた.
回復過程の支えや励ましになったこととして, 家族の支え, 不安に対する患者自身の対処, 医師に対する信頼と医師-患者関係のインフォームドコンセント, 看護に対する信頼, 手術や苦難を克服した過去の体験, 他患者や友人の励まし, 信念と信仰, 家庭復帰が特定できた.看護に対する信頼は看護婦が患者の身近にいてlife supportしてくれることへの信頼が述べられていた.
高齢患者の回復意欲を高める看護支援として, (1) 高齢患者の適応状態と対処能力のアセスメント, (2) 患者との信頼関係の形成とインフォームドコンセント, (3) 家族を始めとする人的資源への働きかけ, (4) 手術後の適応レベルに沿った看護を提供することが重要である.また, 研究方法で用いた手術体験を肯定的な観点から振り返ることは, 適応過程の成長をはぐくむ機会となりえることが示唆された.

著者関連情報
© 北関東医学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
前身誌

北関東医学

feedback
Top