2001 年 51 巻 2 号 p. 129-134
肝癌に対する局所治療には, 従来経皮的エタノール注入療法や経皮的マイクロ波凝固療法等があるが, 最近ラジオ波熱凝固療法が広く行なわれるようになった.我々は展開型電極を用いてRFAを施行した肝癌9症例について検討した.症例の内訳は肝細胞癌5例, 胆管細胞癌1例, 転移性肝癌3例であった.外科手術中にRFAを施行した1例を除く8例中7例は経皮的にRFAを施行したが, 1例は経皮的RFA施行後開腹による追加のRFAが必要であった.効果判定はCTと腫瘍マーカーで行なった.9例中7例 (77.8%) で良好な治療効果が得られが, あとの2例では腫瘍の残存を認めた.副作用としては, 肝予備能に対する影響は軽微であったが, 9例中1例 (11.1%) で発熱・局所の疼痛の遷延及び右胸水の出現が認められた.また, RFAが有効であった7例中1例 (14.3%) で異所性再発を認めた.以上より, RFAは肝癌に対する有用な局所治療法と考えられた.