北関東医学
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看護職者による触覚情報の情報化に伴う思考過程の分析
小池 潤齋藤 やよい
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2001 年 51 巻 5 号 p. 313-319

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抄録

【目的】情報収集と看護記録の実態から, 触覚情報が記録に至るまでの看護職者の思考プロセスを明らかにすること.【方法】対象は看護婦28名とし, 方法は参加観察法と面接による調査であり, 看護婦が患者の身体に触れる目的と部位との関係, 触覚情報の情報化のプロセスについて検討した.【結果・考察】 (1) 触れた目的は「意識して観察」「観察補助手段」「看護ケアの一部」「無意識」の4つに分類され, 部位と目的には有意な関係があった. (2) 収集された情報は20.2%であり, 脈拍数だけが100%記録された. (3) 記録に至るまでには「触覚情報の評価」「過去の触覚情報との比較」「他のデータへの置き換え」「優先度」「記録」の5段階のプロセスがあり, 10思考パターンに分類された. (4) このうち3パターンでは完全な情報の欠落があったが, その他は感覚情報として情報化されたり, 他の情報への置き換えや, 補助として活用することによって統合されていた.

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