北九州市立自然史・歴史博物館研究報告A類(自然史)
Online ISSN : 2435-7545
Print ISSN : 1348-2653
原著論文
自然史系展示における壁状集合展示が生物に対する観覧者の知覚や興味関心に与える効果について
真鍋 徹蓑島 悠介上田 恭一郎下村 通誉
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2021 年 19 巻 p. 5-12

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抄録

実物標本を用い,多様な種を大量に,壁状に広面積に渡って展示し,それら展示資料に関する展示グラフィックは必要最小限にとどめる展示手法である壁状集合展示が,観覧者の昆虫に対する多彩な知覚を刺激し,昆虫に対する興味関心を深めることのできる展示手法となり得るかどうかを評価するため,当該展示を組み入れた展示会において,来館者アンケートを実施した.アンケートの結果から,壁状集合展示は観覧者に対し,珍しい生物に触れることへの関心・感動や,生物の美しさへの関心・感動,生物学的特性への関心・感動を与えることができたと判断された.従って,昆虫の実物標本を用いた壁状集合展示は,生物に対する多彩な知覚を刺激し,生物に対する興味関心を深めることのできる展示手法となり得るものと結論できた.

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© 北九州市立自然史・歴史博物館
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