高分子
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イオン交換樹脂に関する理論の進歩
山辺 武郎
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17 巻 (1968) 4 号 p. 306-311

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抄録

粒状イオン交換樹脂とイオン交換樹脂膜とに関する最近の理論の進歩について述べる。樹脂は普通均質ゲル構造模型をとると考えられるので,ドナン膜平衡を適用してイオン交換平衡を考察し,選択係数および分離係数が導かれた。しかし別の構造をもつ巨大網状構造型イオン交換樹脂が出現した。イオン交換膜を通しての物質輸送に不可逆過程の熱力学を適用して統一的解釈を与えることができ,古典的なNernst-Planckの式も導きうることを示した。膜における同符号イオン間の選択透過性,弱酸および弱塩基の透過性について知見が得られ,さらに濃度分極現象を基礎とするイオン交換膜の界面現象の解明についてすぐれた研究が行なわれ,中性かく乱現象,陽および陰イオン交換膜を重ねた複合膜の整流作用,および膜を用いた発振作用の発見など重要な知見を加えることができた。

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© 社団法人 高分子学会
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