高分子の化学構造と力学的性質との間の因果関係については多くの研究があるが,その分子構造に着目して因果関係を検討した論文は少ない。粘弾性,核磁気共鳴吸収などの研究は高分子の分子運動の解明という立場からは分子運動状態を明確にし,さらに高性能の電子顕微鏡の出現は高分子の結晶構造,凝集状態などをリアルな姿でわれわれの眼下に展開を可能ならしめている。またX線回折装置パターンの解析法の進歩などは変形に伴う微結晶の受ける変化,分子構造の変化の追跡を可能にし,一部のポリマーについては興味あるデータが得られている、われわれがこれらの事実を元にしてポリマーの微少変形から大変形究極には材料の破壊に至る過程を化学構造,分子構造との関連において記述し,強度予測を可能ならしめることも不可能ではない。