海から人類に利益をもたらすことを目標に始められた海洋開発は,もぐる,調べる,ものを採る,の3技術を柱にしている。高分子材料はその特徴を生かし,この3技術の中で重要な役割を果すであろう。FRP製の深海艇が航行し高分子製の観測室やブイが高分子製のロープでつながれ情報収集などで海の開発に寄与するであろう。高分子製の海中タンクやパイプラインは物質の貯蔵や輸送に当るであろう。高分子で絶縁され保護されたケーブルは神経とエネルギー供給の働きをつかさどり,日本列島周囲および大陸間の海底ケーブルは情報化時代の一役をになうであろう。海中作業基地や各種産業機械は,高分子皮覆によって海水の侵食を防がれた金属が用いられるであろう。高分子の最も適切な使用, すなわち material selection の問題は, 模擬海洋空間中における厳密な試験研究を通して解決されるであろう。このような努力の積み重ねが海洋開発の着実な進歩につながるであう。