組合せというものは,成分の数がすこしばかりふえると,その数が急激にふえるものであるが,高分子の場合はポリマーどうしの組合せのほかに,モノマーからもいろいろな形の複合体をつくることができるし,溶融したり溶解したりエマルジョンにしたりすることも容易なので,複合のプロセスがまた多種多様である。金属や無機材料も成分の一つに含めていえば,高分子材料の発達があってはじめて複合材料の時代がはじまったといっても言いすぎではない。このような多成分系高分子の豊かな可能性は,まだまだ十分にいかされているとは思えない。その可能性を引き出すためには,個々の物質系にとらわれずに,高い丘の上から川の流れを見定めるように,全体的な鳥かんをしてみることも大切ではないか。そのための多成分系高分子の見方,考え方というようなことを述べてみたい。