高知リハビリテーション学院紀要
Online ISSN : 2433-4553
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シンボルの図と地の反転が及ぼす受信者側のイメージに関する研究
野々 篤志稲田 勤吉村 知佐子本田 梨佐塩見 将志石川 裕治公文 正光
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2009 年 10 巻 p. 21-25

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抄録
現在,日本で用いられている市販シンボルは,白地に黒線で描かれた絵柄のPicture Communication Symbol(PCS)と黒地に白線で描かれた絵柄のPictogram Ideogram Communication(PIC)である.両者は抽象化されたシンボルという点で似通っているものの,図と地の色(白,黒)が反転した状態である.今回,同じ絵柄でありながら,図と地を反転(白黒反転)させたシンボルでは,シンボルの受信者側はどのようなイメージの違いをもつのかに疑問をもった.そこで本研究では,シンボルの受信者側が,白地に黒線画のシンボルおよび黒地に白線画のシンボルから受けるイメージを比較するために,44名の成人を対象として,形容詞,動詞,名詞に相当するシンボルのイメージ測定を行い,シンボルコミュニケーションを行なう上で,より妥当なシンボルの選定を行なうことを目的とした.結果,形容詞,動詞,名詞の30語中22語で白地に黒線画のシンボルより黒地に白線画のシンボルの方が,対象となる語をより的確に表していると評価された.また,シンボル全体でのイメージ評定では,7語中7語全てに有意差が認められ,黒地に白線画のシンボルより白地に黒線画のシンボルの方が,肯定的イメージを持たせやすい可能性が考えられた.
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© 2009 高知リハビリテーション学院
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