2020 年 50 巻 1 号 p. 18-23
本稿では,魅力ある観光地域づくりのための調査手法として,観光写真調査法が有益であることを述べた.観光写真調査法(TPM)は,従来の魅力調査では,捉えることが困難であった感性や直観を魅力評価に反映させた手法であり,個人が観光地に対して抱く集合的・個別的イメージ(魅力)および,個々の観光資源に付与された価値を把握することができる.TPMの実施手続きを解説するとともに,奈良をフィールドとしたTPMの実践例を紹介した.最後に,着地型のコミュニティ・ツーリズムでの観光振興におけるTPMの応用可能性について議論した.