国語科教育
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II 研究論文
昭和10年代文法教育における指導内容の「収斂」――文部省『中等文法』の「独自性」について――
森田 真吾
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2020 年 87 巻 p. 50-58

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抄録

本研究では、文部省『中等文法』の指導内容について、橋本進吉の文法学説との連続性にではなく、むしろ両者の差異に注目することによって『中等文法』の独自性を見出そうと試みた。その結果、『中等文法』における橋本学説に対するアレンジは、文法の指導内容を学習者にとってより身近なものとするための配慮に基づいて行われていたことが確認できた。また『中等文法』に援用されている橋本学説以外の内容については、いわゆる「五種選定本」の影響を指摘することができ、それにより『中等文法』は当時一般に流布していた文法教科書の内容を視野に入れつつ、それらを一つに収斂させて指導内容を整えようとしていた可能性があることが明らかになった。

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© 2020 全国大学国語教育学会
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