国語科教育
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II 研究論文
言語感覚(適否)の修得状況を可視化する試み――学生対象の添削比較文選択実験結果分析に基づいて――
矢部 玲子
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2020 年 87 巻 p. 59-67

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抄録

言語感覚育成は国語教育において重要でありながら,客観的な測定が困難なため教育現場における指導成果を得難いという問題が指摘されてきた。本研究はこの問題に対し,言語感覚の修得状況を客観的に測定できる要素を特定した上で可視化し,その結果を国語教育資料及び指導方法として提案することを目的とした。

目的達成のため,従来の指導者寄りの視点を改め,学習者の視点から言語感覚修得状況を測定するために,原文と比較して読みやすいと思う文を選択させる実験を大学生に対して行った。その結果,最も支持された文に存在する,読点の増加や配置変更,さらに75字以上の原文は2文に分割されるという共通点が,客観的に測定可能な要素として可視化され特定された。また学生たちが,これらの選択を感覚的に行ったことも明らかになった。

この結果や過去の教育実践の検討に基づき,言語感覚修得の指導方法として,読点の位置や文の長さに着目した読解指導や,形式を定めたルール文の作成指導を提案した。

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© 2020 全国大学国語教育学会
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