2022 年 73 巻 p. 39-72
COVID-19の影響は時とともに,先進経済から新興・発展途上経済へ,新興中所得経済から低所得経済に移行する。財政力のある先進経済はワクチン接種を進め,経済の回復とデジタル化を進めている。対照的に,財政力に制約のある新興・発展途上経済では,人々の多くがワクチン接種から排除されており,感染症と経済回復でいっそう困難な状況に置かれている。CPVID-19を契機に米中間の対立が覇権争いに転じ,かついっそう深まる現在,もっとも重要なことは,財政支援と公平なワクチン接種のための国際協力である。それは先進経済のためにも求められる政策である。