呼吸理学療法学
Online ISSN : 2436-7966
活動報告
診療ガイドラインの基礎知識と呼吸障害理学療法ガイドライン
神津 玲
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 1 巻 p. 25-32

詳細
抄録

要旨:診療ガイドラインとは,よりよい患者ケアの意思決定のために,臨床研究による現時点での最良のエビデンスを評価し,益と害のバランスを勘案して,最適と考えられる医療行為の推奨を提示する文書である。診療ガイドラインの意義と役割は,理学療法領域にも適用できるものであり,医療提供者と患者が適切な判断を行うための意思決定支援,理学療法のエビデンス情報を推奨とともに提供することで,標準的かつ質の高い理学療法の実施にも貢献しうるものである。2021年10月に理学療法ガイドライン第2版が公開され,「呼吸障害理学療法ガイドライン」も収載された。本ガイドラインでは,COPDおよびILD,人工呼吸器管理(にある患者)の3疾患・臨床状態について10のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した。今後,本ガイドラインの広い普及と現場での活用を目指すとともに,定期的な改定に向けて取り組むことができる組織づくりや人材育成も不可欠である。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本呼吸理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top