抄録
肺移植レシピエントは移植肺(グラフト)機能に依存しているため,診療で最優先すべき管理はグラフト機能維持である。そのグラフト機能に影響を及ぼす主な合併症が感染症と拒絶反応であり,肺移植レシピエントの診療は,感染症の予防,感染症の早期発見・早期治療,拒絶反応の発症防止,拒絶反応の早期発見・早期治療を重点的に診るようにする。拒絶反応には細胞性免疫や液性免疫(抗体関連)によるものもあるが,診療で大きな問題となるのが慢性移植肺機能不全である。一方,移植手術に至るまで長期にわたる呼吸器疾患から年齢相応の日常生活を送ることが困難であった肺移植レシピエントにとって,呼吸理学療法と栄養食事療法は,待機中(移植前),周術期,移植後のいずれの時期でも欠かすことはできない。ここでは,肺移植レシピエントのグラフト管理とその合併症,呼吸理学療法,栄養食事療法について解説する。