抄録
反回神経食道枝由来の神経鞘腫は,術前診断が困難なことも多く,種々の手術アプローチが報告されている。我々は術前硬性気管支鏡下生検により診断し,完全切除を施行した1例を経験したので報告する。症例は50歳女性。腫瘍は頸部気管膜様部の上皮下以深に1cm大で存在し,軟性気管支鏡下生検では診断に至らず。硬性気管支鏡下腫瘍切除術により良性神経鞘腫の診断を得た。切除後に気管内へ残存腫瘍の増大・突出を認めたため,根治術として頸部切開下に気管管状切除再建を伴う腫瘍切除を施行した。術中所見より右反回神経食道枝由来の神経鞘腫と診断し術後経過は良好であった。