2017 年 43 巻 p. 61-66
本研究では,ローマ字教育とローマ字入力の関係に注目した。150名の大学生が,漢字変換なしのローマ字テキスト入力において,どのようにローマ字入力を行うか,ローマ字入力の速度で比較した。その結果,ローマ字入力は,小学校で学ぶ「訓令式」が基礎になっていることがうかがえた。その結果,打鍵数の多くなる綴りを選択していたり,動かしにくい指を使った綴りを選択する傾向がみられた。また,拗音に関する綴りの知識が欠落している可能性が高く,入力速度の劣る学生は,ローマ字の理解も不十分であることがうかがえた。