2021 年 50 巻 p. 72-77
授業のオンライン化が加速し,グループワーク(GW)もオンライン上で実施されるケースが増えている。しかし、オンライン上GWにおいて、学生の態度や認知はどのような状況にあり、それがどのように学習成果へとつながるか、といった実態は明らかではない。本研究では,看護系大学生を対象に演習授業においてオンライン上GWを試みた後,アンケート調査によりオンライン上GWの実態として,学生の態度や認知,学習成果の状況を明らかにした。その後,さらに分析により学習成果に繋がる態度と認知の関係をモデル化した。結果,オンライン上GWにおいて,学生の学習理解の高まりには自信の高まりとの関係があり,自信の高まりにはGWの良さ,そしてGWへの貢献の双方の認知の高まりを伴うことが明らかとなった。他方で,やりがいやスキルといった態度の高まりや,事前学習,自室で授業参加,心理的安全性も,間接的に学習成果と関係することが明らかとなった。