新しい学習指導要領において,中学校と高校で確率・統計の内容の重視が示された。本研究では,大学附属の中学校・高等学校におけるデータサイエンス教育の取り組みに基づき,中等教育における統計リテラシーの育成について議論する。ここでは統計リテラシーを統計的知識やデータ分析能力だけでなく,幅広い総合的な知識に基づく能力ととらえ,統計的リテラシーの育成を目的として,中学校と高等学校で行われている実践を紹介し,統計教育に関わる教員養成,カリキュラム開発,他教科との連携,大学教育との連携に関わる課題について述べる。