2017 年 20 巻 3 号 p. 101-108
トカラ列島のうち東洋区側に位置する小宝島と宝島において2015年から2016年にかけて虫えい形成節足動物の調査を実施した結果,小宝島から6種類,宝島から10種類の虫えいが確認された.このうち,ヨモギハシロケタマフシ以外の虫えいは,トカラ列島から初記録となる.小宝島の虫えいに関しては本報告が初の知見であり,宝島では過去の報告を含めると確認されている虫えいは14種類となった.ソヨゴタマバエとキクヒメタマバエは,これまで種子島以北からしか確認されておらず,本報告が最南の分布確認記録である.また,トカラノギクはキクヒメタマバエの新寄主記録である.