日本蚕糸学雑誌
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ウスバクワコとクワコの繭層のアミノ酸組成
伊藤 智夫徐 俊良浜野 国勝井口 民夫山田 政枝
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1992 年 61 巻 2 号 p. 105-109

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抄録

中国浙江省の桑園で採取したウスバクワコの繭の繭層重は約6mgであり, ほぼ同じ時期に採取した中国産クワコの繭の繭層重の, およそ8分の1であった。ウスバクワコの繭層練減率は約68%であり, クワコに比べ非常に高い値であった。繭層のフィブロインのアミノ酸組成には, 両者の間で僅かな違いしかなかったが (パターン類似率は0.997), 繭層のセリシンのアミノ酸組成には, 両者の間に若干の差があった (パターン類似率は0.985)。しかし全般的には, ウスバクワコとクワコの繭層のアミノ酸組成は類似していた。ウスバクワコの繭層のアミノ酸組成には, カイコ蛾科絹糸虫に共通する特徴があり, 既発表のヤママユ蛾科絹糸虫の繭層アミノ酸組成とは異なっていた。

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