日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
カイコ胚発生におけるアルドラーゼの切り換え
杉元 康志西村 文緒日下部 宜宏長岡 純治堀 勝治古賀 克己
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 61 巻 2 号 p. 165-171

詳細
抄録

カイコの胚発生過程において, 電気泳動上の移動度が異なるS型とF型のアルドラーゼを見出した。S型は, 産下直後, 休眠中および冷浸後7日齢まで観察されたが, 8日以降には検出されなくなった。一方, F型は9日齢に新たに出現し, 孵化直後にも見られた。両者の酵素的性質を冷浸2日齢の卵および蟻蚕の粗抽出液により調べた結果, FDP/F1P活性比, 熱安定性において互いに異なっていた。同時期の材料から取ったRNAのノーザンブロット分析において, 卵からはショウジョウバエアルドラーゼの, 蟻蚕からはヒト筋型アルドラーゼAのcDNAとそれぞれ弱くハイブリダイズするRNAを有していた。以上から, カイコのS, F型アルドラーゼは構造および性質を異にするアイソザイムであると結論した。

著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top