日本蚕糸学雑誌
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三層構造絹紡糸の撚り数について
松本 陽一斎藤 英毅鳥海 浩一郎諸岡 英雄原川 和久
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1997 年 66 巻 5 号 p. 323-329

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抄録

リング精紡機を応用して, 糸の作製条件を変化させた三層構造絹紡単糸を試作し, 紡績糸作製条件と紡出状態との関係を調べ, 糸および繊維の撚り数との関係について検討した。その結果, 三層構造絹紡糸では一工程で糸自身と短繊維束それぞれに撚りを分割挿入できるという糸構造の特徴が明らかになった。これにより, 絹紡単糸の多層構造化 (松本ら, 1997) が力学的特性の改善に寄与できた理由を提示できた。さらに, 短繊維粗糸の供給間隔, および紡出短繊維束の太さは, フロントローラ把持点から糸形成点に至るまでの紡出短繊維束に沿った紡出短繊維束の長さ, および糸形成点において隣合った紡出短繊維束間の中心角度に影響を及ぼす重要な紡績糸作製条件である。

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© 社団法人日本蚕糸学会
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