1999 年 68 巻 5 号 p. 357-363
キサンチン脱水素酵素 (XDH) 活性を欠く油蚕突然変異体ogとoqとにおいてXDH遺伝子 (BmXDH1とBmXDH2) の構造と発現とを解析した。ゲノムDNAを用いたサザンハイブリダイゼーションの結果, BmXDH遺伝子とoq座位とが関連していることがわかった。次に, 幼虫脂肪体から抽出したRNAを用いてノーザンハイブリダイゼーションを行なったところ, oq突然変異体では他のカイコにくらべてBmXDH1の発現量が少なく, BmXDH2の発現量が多いことがわかった。2つのBmXDH遺伝子の発現量の比較からおもにBmXDH1遺伝子がXDH活性に関わるらしいので, BmXDH1遺伝子の異常がoq突然変異の原因であると考えられる。