63 巻 (2006) 4 号 p. 219-224
開始剤として2,6-ジブロモヘプタン二酸ジメチルを用いた原子移動ラジカル重合により, 分子量を制御したポリスチレン (PS) を合成した. PS鎖に含まれる開始剤由来のメトキシカルボニル基をアルカリ性加水分解により, カルボキシル基に変換した. この1分子鎖当たりに二つのカルボキシル基を中心に含むPSの添加によって, 有機相 (キシレン) と水相 (pH6または8のりん酸緩衝液) 間の界面張力は低下し, PSの両親媒性を確認した. さらに合成したPSを用いて調製したフタロシアニンブルーまたは酸化鉄さびによる顔料分散体の粘度のズリ速度依存性測定および顕微鏡観察を行ったところ, 加水分解後のPSで調製した顔料分散体は加水分解前のものに比べて, 顔料分散性の向上が見られた. また, PSの鎖長は長いものほど良好な顔料分散性を示した.